
ガンダム。
この言葉を聞いて、あなたは何を思い出しますか?
「子供向け」「ロボットが戦う」「戦い・戦争」「善と悪」「アムロ?シャア?」
色々なイメージがあると思いますが、割と「子供向け」のものと思っている方が大半でしょう。
確かにそれは間違いではありません。
僕の先輩、Kさんもガンダムについて人並みに知っており、まさにそんなイメージを持っていました。
しかし、今回紹介する「機動戦士ガンダム第08MS小隊 U.C.0079+α」。
Kさんは好きなガンダム作品を、色々見てみようと漫画も読むことになり、この作品に出会います。
これを読んでKさんの今までのイメージは変わります。
『「人と人が争っている」戦争が、リアルに感じるなぁ…』
『戦争って善も悪もないんだよな…』
『善悪がないからこそ、互いにわかり合おうとする努力もできるし、歩み寄れるんだな』
と深く考えさせられたそうです。
今回はそう考えるきっかけとなった、「機動戦士ガンダム第08MS小隊 U.C.0079」の作品を紹介します。
ロボットの戦う姿を中心とした目線ではなく、
「人と人の善悪を超えた戦争の愚かさ」
「敵対する者通しでも、人は歩み寄ることができる素晴らしさ」
を伝えてもらいたいと思います。
作品について
作品名:機動戦士ガンダム第08MS小隊 U.C.0079+α
作者:飯田馬之介
出版社:角川書店
掲載誌:ガンダムエース
巻数:全4巻
他作品:OVA、小説、ドラマCD
あらすじ
宇宙世紀0079年10月。地球連邦軍所属の一隻の輸送艇が、地球に向かって移動していた。
その船には地上部隊への配属となった連邦軍兵士が乗船しており、若手士官のシロー・アマダ少尉もその一人。
彼はジオンの女性パイロットと出会う。彼女の名は、アイナ・サハリン。
残骸となった艦船に取り残された二人は、敵と味方という関係を越え、協力して共に生きて帰ることを誓う。
この出会いが、彼らの運命を大きく変えるとも知らず、シローとアイナは、生き残るための「二人だけの戦争」を始めるのだった……。
(公式サイトより)
主要登場人物
- シロー=アマダ
ノイローゼで隊を離れた前任者に代わり、連邦軍の08小隊に赴任してきた新米隊長。
この物語の主人公です。
過去の苦い経験から、仲間の命を何より大切にする、志の高い指揮官です。
イメージ的には「常に前向きな熱血漢」。
彼は舞台への着任直前、宇宙で出会ったジオン軍士官、アイナ・サハリンに恋の気持ちをそ、やがて戦いの中で再会を果たします。
戦いの中で互いに想いを確かめ合ったのをきっかけに、わかり合えるはずの者同士が殺し合う「戦争」そのものに、疑問を抱くようになりました。
戦う意味とアイナへの愛に答えを見出すべく、戦争の中でシロー個人の戦いも始まっていきます。
- アイナ=サハリン
ジオン公国の名門、サハリン家に生まれた貴族階級の女性。
この物語のヒロインとなる女性です。
兄、ギニアス技術少将をサポートし、試作MAアプサラスのテストパイロットを務めます。
貴族らしい気高さと、誰にでも平等に接する優しさを併せ持つ素敵な女性です。
「圧政者・征服者」として認識していた連邦軍との戦いに、強い決意で臨んでいました。
しかし、地球降下の直前に出会った連邦軍士官、シロー=アマダの誠実さとまっすぐな性格に惹かれていきます。
その中で「戦争」そのものの意味や、兄であるギニアスの操り人形のような、自らの生き方に疑問を抱くようになります。
そんな中やがて戦場の中でシローと再会し、愛を確かめ合いながらも引き裂かれたしまった彼女。
アイナはこの無意味と感じる戦いの幕を引くべく決意を新たに行動していきます。
- ギニアス=サハリン
ジオン公国の貴族サハリン家の当主で、アイナ・サハリンの兄。
自分の家の再興を目指し、連邦軍本部の基地攻撃用モビルアーマー、アプサラスの開発に盲信(もうしん)していきます。
幼い頃の事故が原因で身体を病んでおり、定期的に薬を投与しなければならない身体となっています。
普段の身の回りの世話からアプサラスのテストまで、アイナを自分の身代わりのように任せています。
さらに、家門再興の執念と身体的ハンディキャップから徐々に自分の精神も病んで行ってしまい、最終的にはアプサラス計画以外の一切が目に入らくなってしまいます。
というのも自分の味方の軍を開発計画の妨げになるとして、謀殺(ぼうさつ)します。
その冷酷さ・異常さがアイナにとって大きな影響を与え、シローへの共感と思慕(しぼ)、そして精神的自立を促す一因ともなっていきます。
- ノリス=パッカード
サハリン家に絶対の忠誠を誓う、ジオン公国軍きってのエースパイロット。
アプサラス開発基地の軍令面を一手に担ってもおり、現場将兵たちの信望も厚く頼りにされています。
ただし、狂気に蝕まれ(むしばまれ)つつあるギニアスの冷酷さには嫌悪を感じてもおり、反面アイナに対しては父親同然の深い愛情を抱いています。
いかにも、忠実な家臣といったところでしょう。
盲信的な腹心と言うよりは、己が忠義の誓いを重んじる「侍」のような男(漢)です。
戦局終盤には、ザンジバル級ケルゲレン(自軍の怪我人を乗せた病院戦)の撤退進路を確保すべく、愛機グフカスタムを駆って単身出撃。
08小隊を含む連邦軍7部隊をまったく寄せ付けない獅子奮迅(ししふんじん)の戦いを見せ、シローをすら震え上がらせました。
- トップ
ジオン公国欧州軍所属のMS小隊長で、階級は少尉。女性ながらデル、アスの男性2名をその指揮下に置く指揮官です。
自分たちが置かれている状況を冷静に判断し、当初は穏便に補給を済ませようとするが、部下であるアスの軽率な行動がきっかけで、ゲリラ住民に襲われてしまいます。
- アス
トップの指揮の下、オデッサの戦いの敗戦からラサ基地を目指して退却中に食糧調達のため、(ゲリラの本拠地とも知らず)村に入った敗残部隊の1人。
小さい子供にもヒートホークを向けるなど高圧的な態度、住民を軽んじる言動が多くその行動が大きなトラブルを呼んでしまいます。
- デル
トップ指揮下の古参MSパイロットです。
ゲリラの本拠地がある村で飯を持ってきた子供に空薬莢をあげるなど、アスとは対照的に子供好きで温厚な一面も見せます。
コクピット内に我が子の写真を貼り付けている子供好き。
- イーサン=ライヤー
シローらの部隊が所属する軍の連隊長。
レビル将軍という軍のトップをライバル視しており、上層部でもかなりの権力を誇る人物です。
能力も高く様々な実績を残していますが、その人間性は不誠実で狡猾(こうかつ)な性格。
アイナとの出会いから戻ったシローの査問会では、うわべこそ理解のある態度を見せつつ、裏では小隊員に監視を命じます。
敵軍のアプサラス開発基地攻略戦でも仕掛けられたトラップの存在を見抜いたうえで、爆破のためにに自軍の部隊を投入し、わざと自軍機が爆発するように仕組みます。
勝つためには自分の部下の命すら顧みないなど、手段を選ばない卑劣(ひれつ)な人物です。
『戦争』をリアルに感じる戦闘描写
ガンダムといえばロボット(モビルスーツ)に乗り込んで戦っていく、というイメージがあるかもしれません。
主人公の機体がバッタバタと敵モビルスーツを薙ぎ倒していくような作品もあります。
しかし、この「機動戦士ガンダム第08MS小隊 U.C.0079+α」は少し違います。
もちろん、そういったいわゆる王道的な戦闘シーンも描かれています。
この作品はそれだけではありません。
人間が拳銃やロケットなどを使って戦うシーンも数多く登場します。
そしてゲリラの村人がモビルスーツを倒すところも描かれています。
ジオン軍兵士が(気づかぬ内に)ゲリラ戦を起こしている村に迷い込み、いざこざを起こします。
このいざこざのきっかけは、戦争の中の戦いで敗戦し、命からがら逃げてきた部隊が食料を求めてきたやってきたことがきっかけでした。
穏便に済ませたい部隊長でしたが、結局部下の暴走で村人を死なせてしまい、村の怒りを買った挙句、全員村人や連邦軍に殺されてしまいます。
ロボットの戦いだけではなく、「人と人」が直接血を流すような描写があります。
モビルスーツも登場しますが、それ以上に戦争という特殊な状況が人を変えてしまうというエピソードです。
作品を読み進めることで、ただのロボットアニメではないという感覚を覚えるでしょう。
戦争に善も悪もない
子供向けのロボット作品は内容がわかりやすいように、主人公側を「善」、敵側を「悪」として描かれていることが多いと思います。
Kさんもガンダム作品は、同じようにわかりやすいものばかりと思っていました。
ですが、この作品、シロー=アマダが所属する連邦軍が「善」である描写は少なく、むしろ非人道的な行動を取るなど、善らしからぬ場面が多数出てきます。
- 自分のミスを表に出さないため味方の軍ごと爆殺する
連邦軍司令官、イーサン=ライヤーはジオン軍の開発するアプサラス製造基地を突き止めます。
そこで攻勢をかける際に、すでに罠が仕掛けられ基地ごと消滅するであろうことを知りながら、自軍の部隊少しでも相手の消耗を狙うため、そして敵の開発したアプサラスを取り逃す失態を防ぐために行なった行動です。
Kさんは主人公側でも、いわゆる「正しい行動」とは程遠いキャラに驚きました。
- 勝利のために、怪我人を乗せた病院船を騙し討ちで撃墜する
これもイーサン=ライヤーのエピソードです。
戦いが佳境(かきょう)に入っていく最中、アイナ=サハリンが怪我人を多数収容した病院船、ケルゲレンを宇宙に逃すべく奔走(ほんそう)します。
彼女は連邦軍(イーサン=ライヤー)に対して一時休戦を申し入れます。
彼もそれを受け入れ、条件を飲むよう迫りますがその間、他のモビルスーツ部隊にケルゲレンを撃ち落とすように命じ、実行させます。
約束を守ると見せかけて騙し(だまし)、しかも無抵抗な人たちを攻撃したのです。
ここまでくるとどっちが正義かわからなくなってきますね…。
- 自分の研究開発の妨げにならないよう、味方の軍を爆殺する
これはジオン軍、ギニアス=サハリンのエピソードです。
連邦軍がアプサラスの開発計画を知り、その実態に迫るようになってきた時に、ギニアスは自軍の友人であり同僚の士官から救助の要請を受けます。
そこで秘密裏に開発しているアプサラス計画が知られてしまうのです。
その士官は軍上層部に報告し、即刻中止を求めることをギニアスに伝えます。
これに対しギニアスは了承したと見せかけて、味方を罠にかけてそのまま葬り去ってしまいます。
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互いにわかり合おうとする姿
ここまででこの作品は単なる「善 対 悪」という構図の物語ではないことが伺えると思います。
互いに大義名分はあって戦いをしている面があるかもしれません。
ですがこの物語においては個人の思惑(おもわく)・思想・目的が優先され、そのためにはどんな手段も選ばないという非情な描写が多く登場します。
そんな中で主人公であるシロー=アマダとアイナ=サハリンは物語の中で互いに理解しようとし、互いの困難を乗り越え、愛を深めていきます。
彼らは敵対する者通しでしたが、何度か戦場で出会います。
宇宙や雪山の中でたった2人で遭難してしまい、お互い協力し合あうことで生き延びる中で互いに惹かれあっていきます。
そのエピソードの中でKさんは「善 対 悪」を超えた印象的なシーンだと感じたそうです。
そうする中で彼らは、この「戦争」は果たして意味があるのか。と思い始めていきます。
自分たちの軍が取っている行動や言動も、その思いに拍車をかけていきました。
戦いを進めていく中で、2人が出した結論は「互いに歩み寄り、共に生きる道がある」というものでした。
物語の終盤、シロー=アマダは軍を抜けることを部隊の仲間に伝えます。
そして最後の戦いに身を投じ、アイナ=サハリンとの未来へ向けて行動を起こしていくのです。
物語の結末はここでは語りません。
Kさんは2人の姿を見て、まさに宇宙版『ロミオとジュリエット』だ!と思ったそうです。
2人の未来がどうなるか、ぜひ作品を見ていただきたいです。
まとめ
Kさんいわく、
数多く存在するガンダム作品の中で、特に「人間臭さ」が伝わる作品であると言っていました。
単なる「善 対 悪」ではなく、
「戦争は人を変える」
「戦争には、どっちが100%正しい・悪いということはない」
「変わるきっかけがあったり歩み寄ろうとする考えが、困難な現状を変えることができる」
そういったメッセージがこの作品には込められているでしょう。
Kさんはこの作品を読んだきっかけで、ガンダム作品についてさらに深く興味を持つことができたそうです。
それはただのロボット作品というイメージから、リアルを感じることのできるロボット作品であると思えたそうです。
ぜひ、「機動戦士ガンダム第08MS小隊 U.C.0079+α」でいつもと少し違うガンダム作品を楽しんでみてください。
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