仕事に疲れた30代女子におすすめ!漫画「姫のためなら死ねる」

「仕事したくない」

一度は思ったことがある人が多いのではないでしょうか。

「外にも出たくないし、一生だらだらして過ごしたいし、何より働きたくない」

僕も何度も思ったことがあります。仕事ってよっぽど好きなことなら楽しいのかもしれないですけど、好きなことを仕事にできている人ってそうそういませんよね。

僕の後輩のMさんもずっと思っていたそうです。

嫌な女上司、いわゆるお局様からの理不尽な言いがかりにサービス産業。しかも30代になって部下が増えてきて責任の重すぎる仕事ばかりでストレスは溜まる一方・・・。

何より同僚が楽しそうにイキイキと働いている姿を見て嫌悪感を抱いてしまうほど疲れていました。

「こんな風に働きたくないって思うのは私だけ?」「私ってダメな人間なのかな・・・?」

そんな風に考えてしまう自分自身に対しても嫌悪感を感じるようになってしまったMさん。

だんだんと自分に自信が持てなくなってきていたのだそうです。

しかしそのMさんもある漫画との出会いをきっかけに気持ちが変わったんだとか。

今回はそんなMさんを変えるきっかけとなった漫画『姫のためなら死ねる』を紹介します!

『姫のためなら死ねる』とは

タイトル：『姫のためなら死ねる』

作者：くずしろ

出版社：竹書房

掲載サイト：漫画ライフWIN

2010年3月より連載開始

コミック：単行本10巻(2020年5月発売)

内容：学力はあるのに働きもしない引きこもりの清少納言が主人公となり、平安時代の宮中での愉快な仲間たちとの日常を描いた百合ギャグ漫画です。

「姫のためなら死ねる」を試し読み

あらすじ

小さきものは、みなうつくし。【訳：定子様ハァハァ。】宮廷文化花盛りの平安時代。清少納言は、そんなのお構いなしに藤原定子を溺愛していました。「あんた、変態だから目立つのよ。」史実とフィクションの境界を超えた、抱腹絶倒平安ギャグ４コマ!!

出典元：ebookjapan

キャラクター

この作品に登場する愉快なキャラクターを紹介していきたいと思います。

清少納言

本作の主人公。貴族の娘に生まれ、『古今和歌集』の全ての和歌を暗記できる記憶力と『枕草子』を書くなどの才能を持つ、言わば超のつくエリートです。

いくらでも働き口はあるのに、当の本人に働く気はありません。趣味の日記(後の『枕草子』)を書くことだけが唯一の楽しみ。

今風に言うと「ブログばっかり更新する引きこもりニート」といったところでしょうか。

友人の弁官(べんかん)の勧めで出会った定子様に一目惚れ、以降変態的なほどに定子様を溺愛しています。

紫式部とは作品を批評し合う、ライバルのような関係です。

中宮定子(ちゅうぐうていし)

清少納言が仕えることになる女の子。頭もよく、容姿も綺麗で非の打ち所がありません。

しかし、心を許せる友人が欲しいとのわがままから「家庭教師」という名目で清少納言を宮中に入れた張本人です。頭がいいので、清少納言が勉強を教えることはありません。

清少納言から変態的な愛情を向けられていることには一切気付かないくらい純粋ですが、清少納言が自分以外の人と仲良くしている場面を見てやきもちを焼く一面もあります。

藤原彰子(ふじわらのしょうし)

定子様のいとこに当たる人物です。紫式部の主人で、少しメンヘラ気質。

大の勉強嫌いで、定子様にちょっかいをかけに行っては清少納言や紫式部を困らせる子供っぽさがあります。しかしさすが天皇家の一族、飲み込みは早いのでいわゆる「やればできる子」です。

紫式部

『源氏物語』の作者で、彰子の家庭教師。胸元が見えるくらいに着物を着崩しているのが特徴です。無邪気でわがままな彰子たちに振り回される苦労人。

作品内でツッコミができる貴重な存在で、彼女がいない時はツッコミ不在で話が進んでいくこともあります。

安倍の人

陰陽師でありながら、真面目さに欠ける人物。仮面で顔を隠しており、素顔は全く表しません。式神の召喚や占い、呪いといった陰陽術の腕前は本物ですが、素性が不明なためどこか怪しく見えてしまいます。

安倍晴明(あべのせいめい)の女体化した姿でないことは作中で言及されています。

そもそも百合って?

冒頭でこの作品が百合ギャグ漫画だと説明しましたが、百合とは何か知っていますか?

簡単に言うと、女の子同士の恋愛のことを隠語で百合と呼ぶのです。本作品で言えば、清少納言と定子様の関係がこれに当たります。

もちろん同性愛に嫌悪感を示す人は少なくないですが、この作品は過激な描写もありません。ひたすらに清少納言が気持ち悪いくらい定子様を溺愛するだけなので、ただのギャグ漫画としても読むことができます。

この作品の面白さ

4コマ漫画という読みやすさ

この作品、なんと言っても読みやすいんです!

1話で基本的には完結しますし、全て4コマ漫画なので、「前回どんな話だったっけ?」となりにくいのが特徴です。

しかも登場人物の行動の突飛さには思わず笑ってしまいますよ。

忘れっぽいMさんは連載漫画などは更新されるまでにストーリーを忘れてしまうことに悩んでいたそうなんです。しかし、この本は前回のストーリーを忘れていても読めてしまうと言っていました!

史実が面白おかしく改変されている

もう一つの特徴として挙げるとすれば、史実のからいっそ清々しいほどに面白く改変されている点です。

そもそも主人公の清少納言と紫式部には史実ではライバルなんていい関係性ではありません。ましてや実際に会ったことすらないと言われています。

紫式部が宮中へ出ていた時期には、既に清少納言は宮中を去っています。特に紫式部は清少納言のことを「ここまで言う?」と思ってしまうくらいに貶し(けなし)ています。

「清少納言って頭良いアピールしているけど、作品には誤字多いし大したことない」

「ああやって自分の知識を自慢する人ほど、ろくな死に方しない」

などなど・・・。

「何もそこまで言わなくても」って感じですよね。

そんな二人がもし同じ時期に宮中で仕事していたら、こんな関係性だったかもしれないと考えたら面白いですよね。

清少納言の引きこもりっぷり

一番の魅力といえばやはり主人公のはずの清少納言が、現代で言う「引きこもりニート」なところです。

歴史上の偉人とも言われる人物が「引きこもり」「ニート」とここまでダメな姿で描かれる作品てあまりありませんよね。

ましてや清少納言といえば、女性の偉人の代表格になるほどに有名な女性。バリバリのキャリアウーマンと言っても過言ではありません。

そんな彼女が日記ばかり書き、仕事すらせずにニートを満喫している姿には親近感が湧きませんか?

あの清少納言だって実は働きたくなかったのかも・・・とMさんは少し勇気づけられたのだそうです。

WEB上でのデメリット

『姫のためなら死ねる』はコミックスも刊行されていますが、メインはweb上での更新です。

ただ公開期間があり、それを過ぎたものは非公開となってしまうんです。現在第128話と第129話は公開されています。

第1話から第3話までは非公開にならないので、試し読み感覚で読むことができます。もちろんコミックスには全話掲載されているので、今からでも全話読みたいという方はコミックスの購入をおすすめします。

まとめ

今回の作品は完全なIFストーリーです。

平安時代の宮中を舞台に、清少納言と愉快な仲間たちによる日常を描いています。

Mさんはこの漫画を読んで

「あれだけ有名で、頭が良くて仕事も選び放題なはずの清少納言も実は働きたくなかったのかも」

「誰だって本当は仕事嫌だし、一生引きこもって暮らしたい。だけどそれでも頑張っているんだ」

と考えたら、「みんな頑張ってるし私も頑張ろう」と思えたそうです。そんなクスッと笑えて、時には勇気づけられる漫画です。

仕事に疲れたら、ぜひ『姫のためなら死ねる』を読んでみてはいかがでしょうか。

「姫のためなら死ねる」を試し読み