
2018年にベストセラー1位となった、このタイトルの本を、
書店で見かけたことがある、話題になっているのを聞いたことがある、
という人は多いのではないでしょうか。
男の子の顔が表紙になっている、とてもインパクトのある本ですよね。
しかし「なぜそんなに話題なのか、よく知らない」という人のために
今回「漫画 君たちはどう生きるか」を紹介します。
本作は1937年に発売された児童文学書を、漫画化したものです。
児童文学とはいえ、人生の指針につながるような、深い言葉が書かれているため、
現代を生きる大人たちの心にしみる1冊となり、ベストセラーとなりました。
この本が、あなたの人生の考え方を、少し変えてくれる1冊になるかもしれません。
「漫画 君たちはどう生きるか」ってどんな漫画?
作品名:漫画 君たちはどう生きるか
原作:吉野源三郎
作画:羽賀翔一
出版社:マガジンハウス
巻数:単行本
1937年に初版された児童文学書「君たちはどう生きるか」を漫画化したもの。
2018年にはベストセラー(総合)第一位を獲得し、累計売上256万部を突破した。
2017年、スタジオジブリの宮崎駿監督が原作をもとに、同タイトルで長編アニメーション映画を制作すると発表。
あらすじ
旧制中学校に通う15歳の少年コペル君、本名は本田潤一。二年前に銀行の重役であったお父さんを亡くし、今は郊外の小ぢんまりとした家に母親とお手伝いさんと暮らしている。
コペル君はある時、家によく遊びに来る母の弟である叔父さんから一冊のノートを渡される。そこには過去に、叔父さんや友人と話したり、考えたりした、さまざまな出来事が記され、それに対する叔父さんからのメッセージが綴られていた。
天文学、化学、物理学、経済学、英雄譚……叔父さんとの対話を続けるうち、コペル君はものの見方や貧困、差別といった社会の構造、人間関係について学ぶ。
そして、親友たちとの間に“ある事件”を起こしたコペル君は「どう生きるか」について深く問いかけられることになる。
出典元:マガジンハウス
登場人物
コペル君
本名は本田潤一、15歳の中学生。
父を亡くし、母と2人で暮らしている。
近くに引っ越してきた母の弟、おじさんから、
天動説を唱えたコペルニクスにちなんで「コペル君」というあだ名を付けてもらう。
おじさん
コペル君の叔父、母の弟。
出版社で編集者をしていたが、出版社が倒産してしまったことで、コペル君の近所に引っ越してくる。
コペル君が友達を裏切ってしまったと思い悩んでいるとき、一冊のノートを渡す。
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原作について
原作は1937年に発売された児童文学書です。
著作者は、児童文学者・翻訳家・ジャーナリストなどをしていた吉野源三郎。
1937年というと、日中戦争が起こり、第二次世界大戦、太平洋戦争間近にあった時代です。
原作者の吉野源三郎は、日本の軍国主義に不信感を抱いていた1人であり、
このまま世の中が戦争の方向に流れていって、軍国主義が盛り上がってはまずいのではないか、
という想いを抱えていたそうです。
しかし当時、戦争に反対する考えを世の中に伝えることは、検閲(けんえつ)が厳しく、そういった本を出すことはできませんでした。
それでも、子供向けという体裁であれば本を出せる、ということで児童文学として書かれました。
しかし、反戦というメッセージが込められた本でありながら、戦争に関する言葉は一切語られません。
1930年代の軍国主義が高まる閉塞感(へいそくかん)がある社会において、
子供たちに「どう生きるべきなのか」という自由と道徳を教える一冊として世に広まりました。
戦後になってからも、より分かりやすい言葉に書き換えられながら出版され続け、
初版から80年経った今、改めて漫画になったことで、現代の多くの人にも読まれています。
80年経っても色褪せない「人生の考え方」を教えてくれる一冊です。
大人の心にしみるメッセージ
本作は、何かに突き当たってしまい、どうしたら良いのかと、生き方に悩んでしまった時に読んでもらいたい作品です。
物語の全体にわたって、「人生を一歩深く考えてみよう」というメッセージが込められています。
児童文学ということで、中学生の日常を中心にしたストーリーですが、
だからこそ大人が読んでも分かりやすく、心にしみるようなメッセージが散りばめられています。
コペル君とおじさんのノート
本作は、中学生のコペル君が大事な友達を裏切ってしまったと、熱を出すほど苦しみ悩んでいる時、
おじさんから一冊のノートを渡される、というシーンで幕を明けます。
ノートには、これまでコペル君がおじさんへ相談してきたことに対しての、おじさんからのアドバイスが書かれています。
そのノートは、おじさんがコペル君の近所へ引っ越してきた日、
およそ半年ほど前から、ずっと書き溜められていたものでした。
そしてコペル君がこのノートを読みながら、これまで自分が経験してきたことを振り返ります。
いじめとの向き合いかた
おじさんがコペル君の近所へ引っ越してきた頃、コペル君はクラスでいじめがあることを知りました。
そしていじめがあるのを知りながら、自分や周りのみんなが何も言えないことに、
悔しさを覚え「なぜだろう」と考えるのでした。
「人は集まって生きる生き物なのに、なぜ息苦しさを感じるようなことが起きてしまうのだろう」と、
こういった気持ちは、誰もが少しは感じたことがあるのではないでしょうか?
学校だけではなく、大人になった今でも、会社や組織のしがらみに息が詰まるようなことがありますよね。
大人になっても感じる、人が集まることで見える悪い面・人間関係の悩みは、
人との繋がりからくる息苦しさから生じるものです。
けれど、人は全く1人で生きていくことはできません。
この息苦しさを心から理解して、解決していくにはどうしたら良いのか。
中学生のいじめ、という誰もが少し心当たりのあるようなテーマを題材にしていることで、
その答えが誰にでも分かりやすく、心にすっと入ってくる言葉で伝えられています。
もう一歩深く考えてみること
この物語の中で、おじさんはコペル君に、もう一歩踏み込んで「なぜ」と考えてみようと、常に伝えています。
「立派な人は、なぜ立派といわれるのか」
「なぜ争いや貧困はなくならないのか」
「なぜ勉強をしなくてはいけないのか」
「なぜ」という本質を考えていくことで、より人生の味わい深さを知ることができるのだと、おじさんはコペル君に教えます。
コペル君が友達を裏切ってしまったと、苦しみ、悩んでいるとき、「なぜ心が痛いのか」と、おじさんは尋ねます。
思い悩みすぎて心が痛むとき、それは人間として心が正常な状態ではないと、知らせてくれるサインです。
だからこそ、人間として何が間違っているのかを、心の痛みの経験を通して知ることができます。
そしてその痛みは、これから長い人生の道のりで辛いことがあった時、背中を押してくれる大切な記憶になっていきます。
心の痛みがあるからこそ、人は過ちを繰り返すことはせず、
またその心の痛みが人間として大きく成長する糧となっていきます。
コペル君の心の成長を通して、「考えること」で生き方の本質を見出すことができるのだと、読者に教えてくれているのです。
生きていくうえで当たり前だけれども、忘れがちな大切なことを、改めて心に染み込ませてくれますね。
漫画だから読みやすい
80年前に書かれた歴史的著書を、漫画で読むことができるのは大きな魅力です。
原作は児童文学とはいえ、古い言葉や難しい言葉で書かれていることもあり、
原作を読むことに抵抗を感じる人も多くいるかと思います。
さらに、1930年代という時代背景から、状況や考え方も現代とは少し違う部分もありますよね。
この漫画も原作と同じ時代背景で描かれていますが、現代とは異なる背景や男女の考え方を、
上手く変更し、現代の人でも受け入れやすくなっているのも特徴のひとつです。
漫画だからこそ、話の流れが掴みやすく、物語に入り込みやすいように描かれています。
本作の一番の特徴としては、おじさんのノートと、ノートを持っているコペル君の手が、そのまま描かれていることです。
読者がおじさんのノートをそのまま読んでいるような形になるのです。
コペル君のエピソードは漫画で描かれ、おじさんがコペル君にかける大事な言葉は、
ノートから読者へそのまま伝えてくれています。
おじさんの言葉がより身近に感じて、心へ突き刺さるような気持ちになるでしょう。
人間の本質は時代を経ても変わらない。
だからこそ過去の人々が残したものからしっかりと学び、
その先のことを自分で考えられるようにならないと、と改めて感じさせられる一冊です。
まとめ
初版されてから80年経った今でも、多くの人に読まれている児童文学を漫画化した「漫画 君たちはどう生きるか」。
人生の考え方を少し変えてくれるような、心に染みる言葉が詰まっています。
時代を経ても、人間としての本質は変わることなく、
人生の中で見失っていたものを、改めて見つめなおすきっかけとなるような作品です。
歴史的名著といわれる作品が、漫画がでさらに読みやすくなったことで、
その言葉が心に直接ふれて、素直に受け入れることができるでしょう。
生きていくなかで、思い悩むことは多くあると思います。
この本があなたの生きる道を、照らしてくれるかもしれません。
「漫画 君たちはどう生きるか」を読んで、昨日より少し人生の考え方を変えてみませんか?
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