
西洋の歴史というと、かなり幅広く、まさに一言では言い表せないほどの歴史がありますよね。
しかしその中でも、西洋社会に大きな影響力を与えた時代が、古代ローマ帝国時代です。
ヨーロッパ文明の根幹となった古代ローマ帝国の時代に、文明が大きく発展しました。
そしてその裏側では、その文明発展の一翼を担った人物がいます。
今回紹介するのは、古代ローマの時代を描く漫画「プリニウス」。
プリニウスは古代ローマで実在した人物であり、博物学者として、ローマの文明繁栄に深く携わった1人です。
彼がどのようにして世界を知り、西洋史に名を残すことになったのか。
彼のあふれる知的好奇心に導かれるようにして、当時のローマ帝国の各地を旅します。
西洋史の根幹ともいわれる古代ローマ帝国の時代を知ることで、さらに西洋史への興味が深まることでしょう!
「プリニウス」ってどんな漫画?
作品名:プリニウス
作者:ヤマザキマリ / とり・みき
出版社:新潮社
掲載誌:新潮45 / 新潮 / くらげバンチ
コミック:既刊10巻(連載中)
「テルマエ・ロマエ」の作者・ヤマザキマリ先生と
理系ギャグ・SF漫画作家、とり・みき先生の合作作品。
あらすじ
『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリが、最強のパートナー”とり・みき”を迎えて、ふたたび魅惑の古代ローマ世界に挑む!
物語の主役は、博物学者にして、艦隊の司令長官。古代ローマ一の知識人にして、風呂好きの愛すべき変人。その男の名は、プリニウス――。
火山の噴火や雷といった自然現象や、動植物の生態など、森羅万象を観察するために古代ローマ帝国中を旅し続ける一行は、地震や津波、そして謎の怪物ともニアミスしながら、皇帝ネロが待ち受ける「世界の首都」ローマを目指して一路北上。そこで待ち受けるドラマとは?
圧倒的な構成と画力で2000年前の世界を描く、歴史伝奇ロマンの決定版!出典元:新潮社
登場人物
プリニウス(主人公)
ローマ帝国の高官であり、博物学者。
(博物学とは:植物・生物・鉱物などの自然物の生態、性質を研究する学問)
探求心と好奇心に溢れた人物で、森羅万象のすべてを研究し、記録することを生きがいとしている。
歩く百科事典のような知識人。
様々なことに興味を持ってしまうため奇行も多く、お付きの者たちを振り回している。
エウクレス
プリニウスの口頭記述係。
(プリニウスが言った事をその場で書き留める書記係)
マグナ・グラエキア(現在の南イタリア・シチリア島)出身でギリシャ系の血を引く青年。
プリニウスの博識さに感銘を受け、ラテン語に精通していたこともあり、口頭記述係になる。
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西洋の歴史は古代ローマにある
西洋史とは、古代のエジプト文明にはじまり、ギリシャ・ローマを経て、中世のヨーロッパ、
近世・近代から現代にいたるヨーロッパとアメリカの歴史を指します。
とても広い範囲の中で、古代ローマの時代は、西洋社会において根幹となる重要な時代のひとつです。
なぜならローマ帝国の文明によって、宗教・美術・建築・哲学・言語が急速に進化した時代だからです。
紀元前1世紀末に成立した古代ローマ帝国は、現在のスペインやフランスからトルコや北アフリカに及ぶ広大な国でした。
他国を攻めて、ローマ帝国へ併合しながら、他国の技術を自国に取り入れ洗練させたことで、
豊かな文明を築くことができたのです。
これが、現代ヨーロッパ文明の直接の原点でした。
古代ローマ帝国は476年に滅亡しましたが、
2千年近く経った今でも現代に大きな影響力を持つことは、驚くべきことではないでしょうか?
そして古代ローマ帝国の文明の繁栄には、世界の未知なるものについて研究していた人がいたからこそ、
大きな発展を遂げることができました。
そこで今回紹介するのが漫画「プリニウス」です。
本作は、紀元1世紀頃のローマ帝国時代に実在した博物学者「ガイウス・プリニウス・セクンドゥス」の物語。
プリニウスは古代ローマの博物学者としてだけでなく政治家、軍人としても活躍していた人物です。
そしてプリニウスは、彼の壮大な知的好奇心から「博物誌」という百科事典を作成します。
それは古代ローマ帝国時代の歴史的な情報を今に伝える重要な資料となっています。
この漫画では、プリニウスがローマ帝国の属州総督代行として、各地を見て周る「世界を知る旅」へと出掛けます。
プリニウスがそこで出会うのは、神秘的なもの、奇怪なもの、
そして自然の壮大さなど、読者の知的好奇心をくすぐるものばかりです。
そして現代にもつながる西洋社会の根幹を知ることで、西洋史へのさらなる好奇心が深まるでしょう。
プリニウスの「世界を知る旅」
プリニウスは古代ローマ時代に実在した人物。
プリニウスが書いた「博物誌」は、当時の天文地理・動植物・文化技術に至るまで、
世界のあらゆる事象を記述したものだそうです。
本作の主人公・プリニウスはローマ帝国の高官であり、文筆家。
世界の何事にも興味を持ち、その全てを書き留めておくことを生きがいとした人物です。
しかし、実際にプリニウスの考えや発見を記述するのは、口頭記述係のエウクレス。
プリニウスは、エウクレスや従者を振り回しながら各地で視察の旅をします。
プリニウスの洞察力は鋭く、当時、神の力と考えられていたことなども、科学的に解明しようとしています。
例えば、日本人にもなじみ深い「地震」という現象。
プリニウスは、地震は風によって起こる、と言います。
なぜなら、地震はたいてい鳥も舞い上がることができないほど、風が止んだ時に起こるものだから。
風が地脈に閉じ込められて、地盤を揺るがし、それが地割れを引き起こし、火山を噴火させ、津波を起こす、という持論を展開します。
現代の科学的な根拠からしても、全く遠くない洞察だといえますよね。
世界は全て、神の力で出来ているわけではない、と信じるプリニウス。
自分の足で赴き見てみなければならない、ということで、プリニウス一行は当時のローマ帝国各地へ視察の旅に出るのです。
本作で描かれる知的好奇心にあふれたプリニウスの旅は、当時のローマ帝国の様子をありありと表現しています。
当時のローマ帝国の強大さ・壮大さ、そして高度に発展した文明に、読者の知的好奇心も掻き立てられることでしょう。
西洋史を漫画で楽しむ
ヨーロッパの繁栄に大きな影響をもたらしたと言われるのが、この古代ローマ帝国時代です。
古代ローマといわれる時代ですが、すでに確立した文明が栄え、同じ時代であった日本の弥生時代に比べ、かなり発展していました。
歴史を教科書や書籍で知る時、文字だけで「栄えていた」「発展していた」と読んでも、
実際にどれほどなのか、目で見ることはないため、いまいち掴みにくいこともありますよね。
漫画で歴史を知る特徴は、その時代に自分がタイムスリップしたかのように、個性がある歴史上の人物と
その生活を実際に目で見ているかのように、ドラマチックに感じられることだと思います。
西洋史は日本人になじみの薄い歴史だからこそ、漫画でドラマチックに読むと、さらに興味が高まるのではないでしょうか?
歴史の臨場感が目の前に!
この漫画で描く時代は、5代皇帝ネロの時代(紀元54~68年)。
西洋史でも有名な、ローマ帝国の5賢帝と呼ばれる時代の前にあたります。
暴君ネロと言われていたように、この時期の皇帝政治は、決して安定していませんでした。
皇帝が行う悪政により、ネロはローマ市民から嫌われ、当時の混沌(こんとん)としたローマ社会の様子が生々しく描かれます。
皇帝ネロは、ローマ帝国による最初のキリスト教の迫害を行ったことでも、よく知られています。
しかしそこには、ネロ自身の精神状態の不安定さや、ネロを取り巻く周囲の人間の権力保身による思惑など、
ドロドロとした歴史の影となった部分がありました。
プリニウスの旅の裏側では、こういったローマ帝国繁栄の影の部分も描かれます。
これがまるで、歴史を目の前で見ているかのような臨場感を味わうことができ、圧倒されてしまいますね。
古代ローマの美しさ
西洋史の中でも、芸術は欠かせない要素のひとつですよね。
建築技術や芸術性の高さから、当時の古代ローマ文明の高度さを漫画を通して見ることができます。
そして本作はヤマザキマリ、とり・みき、二人の漫画家による合作であり、
この漫画の大きな魅力のひとつが、背景画の緻密さです。
歴史の教科書や書籍で読む時には見ることのできない、街の様子や背景がくっきりと美しく描かれています。
皇帝ネロの宮廷では、背景の壁や柱の装飾から絨毯(じゅうたん)の柄まで、装飾の細かさが描かれ、
ネロの豪華絢爛(ごうかけんらん)な宮廷を、現代の読者に見せてくれています。
まるで中世の芸術家が描く絵を漫画で1コマずつ見ているかのように、楽しくなってしまいますね。
日本が弥生時代であった頃、古代のローマ帝国では、こんなに発展していたのかと驚かされることでしょう。
この美しさを実感することは、まさに漫画だからこその楽しさではないでしょうか?
まとめ
古代ローマの時代に実在したプリニウスを主人公とした漫画「プリニウス」。
幅広い西洋史の中で、西洋社会の根幹となった古代ローマ帝国の時代。
日本も明治維新後、ローマ帝国をもとにしたヨーロッパの法制度を基礎として、国づくりを行いました。
西洋史を知る楽しさは、時代や場所が遠く離れていても、現代とつながっていることを知ることにあります。
この作品で、古代ローマ時代から、現代の日本の社会にもつながるようなものを見つけ、
思考と感性を磨き、現代社会で生きる力を培うことができるはずです。
さらに、古代ローマの後の時代を知る時、
「これは古代ローマからきているものだ」と、時代の繋がりを発見することが楽しくなります。
この漫画「プリニウス」を読み、さらに西洋史への興味を深めてみてはどうでしょうか?
ヤマザキマリ先生の別の漫画についても記事書いてます。
漫画「テルマエ・ロマエ」の続編が読みたい! そんなあなたに「オリンピア・キュクロス」
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