漫画紹介

醜女が望みの顔を自由に手に入れられたら!?完結済サスペンス漫画「累」

突然ですが、あなたは自分の容姿に自信がありますか?

一度くらい、「あの綺麗な女優さんの顔に生まれていたら、どれだけ幸せだろう」と思ったことがあるのではないでしょうか。

今回は、誰もが一度はとらわれたことのある「美醜」をテーマに、人の心の闇と愚かさを描いたサイコサスペンス漫画「累」を紹介します。

さまざまな思惑が絡まりあい、先が読めないハラハラドキドキ感を味わえるのはもちろんのこと、

徐々に狂っていく登場人物たちのおぞましくもどこか美しい姿に、あなたも引き込まれること間違いなしですよ!

「累」ってどんな漫画?

作品名:累(かさね)
作者:松浦だるま
出版社:講談社
掲載誌:イブニング
コミック:14巻(完結)
内容:思わず目を背けたくなるほど醜い容姿の累。しかし彼女は、伝説の女優の娘で、天才的な演技力をもっている。累は、母が遺した「顔を交換することができる口紅」を使い、他人の顔と名前を奪って女優として名声をあげていく。

2018年に、土屋太鳳と芳根京子のダブル主演で実写映画化され、話題になりました。

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あらすじ

イブニング新人賞出身の新しき才能が『美醜』をテーマに描く衝撃作!!二目と見られぬ醜悪な容貌を持つ少女・累(かさね)。その醜さ故、過酷な道を歩む累に、母が残した一本の口紅。その口紅の力が、虐げられて生きてきた、累の全てを変えていく――。

出典元:ebookjapan

登場人物

主人公の累と、累と深く関わりのある登場人物を紹介します。

淵 累(ふち かさね)

本作の主人公で、伝説の女優・淵 透世(ふち すけよ)の娘。

「淵透世」とは似ても似つかない醜い容姿のせいで、幼い頃から酷いいじめを受ける。

母親譲りの突出した演技力をもつ。

母親の形見の「望んだ相手にくちづけをすると顔を入れ替えることができる口紅」を使い、他人の顔を奪って舞台女優として活躍していく。

伝説の女優「淵 透世」(ふち すけよ)

圧倒的な美貌と演技力をあわせもった、死後もなお語り継がれる伝説の女優。

累が6歳の頃に事故死する。

誘(いざな)

本来の淵透世から顔を奪った、累の母親。

つまり「大女優・淵透世」の中身で、天才的な演技力をもつ。

羽生田 釿互(はぶた きんご)

演出家。

誘の過去と口紅の秘密を知っており、誘の遺志に従って累に協力する。

誘に心酔していて、彼女の生前は「女優・淵透世」としての活動を奴隷のようにサポートしていた。

最初から最後まで一貫して狂人であるが、時々見せる人間味とネズミのような容貌が相まって、愛嬌があるように見えてくる不思議なキャラクター。

丹沢 ニナ(たんざわ にな)

若手美人女優。

あることが原因で演技に集中できず、女優として伸び悩んでいた。

一方で、これもまたその「あること」が原因で、有名になりたいという欲が強い。

そのため、累に顔と名前を貸し、「女優・丹沢ニナ」として活動することに協力する。

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先の読めない展開にハラハラドキドキ

サスペンス漫画の醍醐味は、先が読めない展開のハラハラドキドキ感ですよね。

もちろん、「累」も例外ではありません。

登場人物たちのさまざまな思惑が絡み合い、騙し騙されの展開に、手に汗握ります

そのハラハラドキドキ展開に欠かせないのが、累のもつ、望んだ相手に口付けをしたら顔を入れ替えることができる口紅

醜い累が、その突出した演技の才能を存分に発揮するためには、絶対に必要なアイテムです。

しかし、累に顔を貸す女性たちは、たとえ最初は協力的であったとしても、

だんだんと口紅を利用して累をはめようと画策するようになります。

幸せに生きるために口紅を手放せない累と、口紅を利用して累を追い込みたい女性たち。

そんな彼女たちの口紅をめぐった駆け引きは、先が全く読めなくてページを捲る手が止まりません。

例えば、顔と名前を貸してくれたニナ。

最初は利害の一致から、累が「女優・丹沢ニナ」として活動することに協力的です。

しかし、累がニナと同じ人(演出家の烏合零太)を好きになってしまったことをきっかけに、変わっていきます。

顔交換の秘密を突き止め、なんとかして累と烏合の関係を邪魔しようと謀るニナ。

醜い自分では絶対に得られないと諦めていた、愛されることの喜びを噛み締める累。

累もニナも、烏合に惹かれる理由にとても共感できるからこそ、ハラハラドキドキが止まりません。

他にもさまざまな「ハラハラドキドキ」展開があるのですが、一番衝撃的なのはクライマックスです。

人の顔を奪い、多くの人をだまして生きてきた累が見つけた「答え」とは…

そして、そんな彼女に待ち受ける運命は…

読み終えた時の余韻がすごいので、ぜひ味わってくださいね。

時にしんどくなるほどリアルな心理描写

「累」の主要キャラクターたちは、皆多かれ少なかれ狂人です。

狂い方もさまざま。

しかし、羽生田のように最初から狂っているキャラは稀です。

それぞれがそれぞれの理由で、徐々に、あるいは突然、狂ってしまうのです。

そして、ほとんどのキャラクターが狂っているからといって、彼女たちの気持ちが理解不能なわけではありません。

むしろ、「人の狂気」と「狂っていく過程」が非常にリアルに描かれていて、どんどん引き込まれていきます

例えば、演劇に魅入られ、その世界で生きるために、他人の顔と名前を奪って女優として活躍していく累。

ここだけ見ると、冷淡な狂人のように思われるかもしれません。

でも、累は本来は純粋で心優しい子だったと思われます。

それがわかるエピソードとして、第1話・小学5年生のときの話を紹介します。

累は、醜い容姿が原因でいじめられていました。

イジメの主犯は、誰よりも可愛いイチカちゃん。

イチカちゃんの推薦で、累は学芸会の「シンデレラ」の劇で主役をやらされることになります。

醜い自分をさらしものにするためであることはわかっていましたが、

「伝説の女優・淵透世の娘である」ということを皆に認めてもらうために、累は主役を引き受けます。

いじめのせいで、クラスメイトとの練習にすら参加させてもらえません。

それでも一人で懸命に練習する累。

そして本番、累の素晴らしい演技に、クラスメイトは徐々に彼女を認めていきます。

それが気に食わないイチカちゃん。

彼女の一声で、クラスメイト達は劇を中断させて、主役をイチカちゃんに変更することにしました。

服を着替えるためにトイレへ向かう最中も、累に酷い言葉を投げてくるイチカちゃん。

「その唇からどんなに汚い言葉がこぼれようと 可愛らしい顔の均衡は崩れない」

「うらやましい ほしい その顔がほしい」

ついに累は、口紅を使ってイチカちゃんの顔を奪い、舞台に戻ってシンデレラの役を続けます。

「醜く 暗く 卑屈で愚かな淵かさねは このとき 姿を消した」

「さげすみでも哀れみでもない そう 美しいものを称賛するまなざし」

醜い自分では絶対に得られないもの、美しい者が見ている世界を知ってしまうのです。

夜になり、顔を戻すためにイチカちゃんと2人っきりになる累。

ここで彼女は、「私たち友達にならない?」と言います(言い切る前にイチカちゃんに阻まれてしまいますが)。

なんていい子。

自分をいじめていた誰よりも可愛い子なんて、普通は絶対に友達になんてなれませんよね。

ましてや、醜い自分と可愛い子の違いを痛感してしまった直後ならなおさら。

このシーンから、累は(暗いとはいえ)本来純粋で心優しい子だったことがわかります。

そんな純粋で優しかった子が、「演劇」と「美しい顔」に異常なまでに執着して、他人の顔を奪って生きていくようになってしまうのです。

全ては、累が醜いばかりに。

「外見を言い訳にするな、中身で勝負しろ」「明るく笑顔でいれば愛嬌があって可愛く見える」という綺麗事が浮かびましたか?

確かにその通りかもしれません。

実際、外見は累で、中身は他の人物になったときに、醜いはずの顔が可愛らしく見えるシーンがいくつかあります。

逆に、外見は美人中身が累の時に、美しいはずの顔がとても醜く見えるシーンもあります。

内面の美醜が外面に現れることがとてもよくわかる描写です。

しかし、累の場合、ありのままの自分の顔を受け入れられた記憶がほとんどありません

醜い容姿のせいで、父親に捨てられ、皆にさげすまれ、ずっといじめられてきたのです。

そんな人間が、自分の醜い顔で、明るく笑って他人と接することができますか?

そして、そんな人間が「美しいものを称賛するまなざし」「美しさに裏付けされた、うたがいのない”自信”」の快感を知ってしまった時、

「美しさ」に執着せずにいられますか?

「自分の不幸はすべて自分が醜いせいだ」「自分が幸せになるために、美しい人間から奪って当たり前」

累は、こう思い込むことで、自分の心を守っていたのだと思います。

このように、登場人物たちが徐々に狂っていく様子が、時にしんどくなってしまうほど生々しく描かれているのです。

心理描写をより鮮明にする作中劇

累が演じる役は、基本的にそのときの累の心情にマッチしています。

そして、演技力が高すぎて役にのめり込むからこそ、役を通して自分と向き合うのです。

つまり、普段の累と、彼女が演じる役の両方から、累の心情をありありと感じることができます。

例えば、作中劇「サロメ」。

これは、ユダヤの王女・サロメの狂気的な恋の話です。

ものすごくざっくりと「サロメ」を説明すると、

一目惚れした男(ヨカナーン)に振り向いてもらえなかったから、王に彼の首を求め、手に入れたヨカナーンの首にキスをする

といった内容です(「サロメ」について詳しくはこちら)。

詳しくはネタバレになるので避けますが、この舞台の稽古の時、累はある罪悪感から「自分はこのまま演じ続けて良いのか」と迷っていました。

しかし、羽生田に迷いがあることを責められ、鏡の前で本来の自分の醜悪な容姿を直視させられます。

久しぶりに見る自分の顔の醜さに、思わず「化け物…」とつぶやく累。

そして、そんな「化け物」である自分は、美しい顔を奪うことでしか演劇を続けられないことを思い出すのです。

「誰もかれも欺いてみせる 私が生きるための虚構(せかい)を誰にも壊されないように」

「演劇」とそれに必要な「美しい顔」に狂気的なまでに執着し、眠る美しい顔を抱きしめてキスする累。

「ヨカナーンとキスすること」に狂気的なまでに執着し、ヨカナーンの首を抱きしめてキスするサロメ。

このシーンの累の狂気が、サロメの狂気に重ねて見事に表現された、おぞましくも美しい印象的なシーンです。

まとめ

女性は誰しも一度くらい、綺麗な人を見て「あの顔に生まれたかった」と思ったことがあるのではないでしょうか。

今回は、そんな身近な「美醜」をテーマに、人間の心の闇と愚かさを描いたサイコサスペンス「累」を紹介しました。

人の狂気と愚かさ、そしてそこに垣間見える人間の美しさにどんどん引き込まれて、ページをめくる手が止まらなくなりますよ。

他人の美しい顔を奪って得られた愛や名声で、果たして幸せになれるのか?

累が最後に見つけた「答え」とは?

他人の顔を奪い続けた彼女に待ち受ける運命は?

最後まで読んだ時、あなたの中でさまざまな感情が渦巻いて、余韻に浸ってしまうこと間違いなしです。

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